魅悪ちる先生の誘惑【デジタル版限定おまけ付き】

キャラやシチュが丁寧でエロく読みやすいです。

雲呑めお（わんたんめお）先生の3冊目の単行本で、1冊目の『おかえり』の頃からの傾向として、キャラやシチュのつくりが丁寧で、エロ漫画としては勿論のこと、キャラの造けいや思い、感情の流れが把握しやすいので「読みやすいエロ漫画」であり、3冊目にしてよりその傾向が先鋭化している点が素晴らしいと思います（全体的に純愛ものが多めですが、1冊に1～2作は意欲的な作品も収録されており、一辺倒でない点も○）。

特に【デジタル版限定おまけ付き】には「初期設定資料集」として、先生の漫画のつくり方について+各作品の先生の手法に基づいた「キャラ表」が付属しており、純粋なファン目線ですと設定資料として、またクリエイター様個人のアイデアやそれを漫画としてまとめる方法や過程が簡単に載っていますので、嬉しい+興味深い・勉強になるといった感じです。

本作の話に戻すと、過去2作と比較しても「読みやすいエロ漫画」である点が更に先鋭化されており、お好みのシチュがあれば是非おすすめの1冊となります。

個人的におすすめなのが「アトリエ」で、お互いほのかな恋心をもっていた男女が、ちょっとしたきっかけで結ばれるシチュなのですが、先生ご本人のコメントにもあった「椅子のコロコロが当たる」演出も含め、キャラ・シナリオ・シチュ・演出ともに秀逸と思いましたので、興味のある方は是非、お手にとってみてはと思います（因みに「初期設定資料集」ではもう少しベタなシチュで、身体的・精神的な距離の詰め方も現在のかたちとは大きく異なる予定だった的なことが書かれているのですが、完成版は少し王道から外した感じで、徐々に距離が近づいていく様が丁寧に描かれており、秀逸です）。

国宝級の天才

雲呑めお先生の絵柄がパワーアップしてる！もう完全にこの業界から絶対いなくなってはいけないレベルまで到達してしまってる！純愛要素もあるよ！

キャラクターデザインが可愛くて抜ける

ここにきてに日本最高レベルのエロ漫画に仕上がっており抜けます。

めお先生はこの単行本で名実ともに看板作家になられたのだなと、私は思います。キャラクターデザインがかわいく、特にキュート系のキャラクターデザインが増え少し若くなった印象があり、多くの方がこの単行本で抜けると思います。快楽天掲載時は白抜きであった女性器がみっちりと書き込まれており、やわらかさをさらに想像できて抜けます。女性のサイズ感も分かりやすく作画力の高さを感じられ、抜けます。

キャラデザが良い

みんなとてもかわいいです。短編集的な感じなので展開が早く、面白いです。

収まりきらなかったこぼれ話の数々が大変興味深いです

初期設定資料集というと、採用された設定の解説と没になったラフがすこし・・・
みたいなのが私のイメージなのですが、こちらは全く違います。

本当の「初期」設定を包み隠さず綺麗にまとめてくださっています。
没になった第1稿やキャラクター、制作中の先生のコメントなど盛り沢山です！

特に「星乃エリはギリギリ」の第1稿は今と全然違う形なので驚きました！
先生自身も触れているように、今の2人の関係性がとても綺麗なので完全に予想外でした・・・
星乃ちゃん東くん、良かったねえ。
めお先生お疲れ様です。制作の苦労がうかがえます。

「アトリエ」では初期設定の左下に春田ちゃんの格好良いシーンがあって、
個人的には大牧くんにとって重要な瞬間に見えまして、
（うわ～・・・！ここどうにかして本編に入らなかったのかなあ・・・！）
などと悶々としています。


他にも惜しくも盛り込めなかった設定や、
先生の工夫の数々、どうSEXにもっていくのが自然か苦悩する姿などなど・・・
好きな人ほど楽しめる素敵な一冊でした。
本当にありがとうございました。